中華民国第10代台湾総統選挙
Last Update:2005/1/1

投票前日
2000年 3月17日
支援集会
陳水扁氏応援集会(中山足球場)
陳水扁氏支援の仲間たち
投票日  
2000年 3月18日
投票
町の世話役の家が投票所
開票速報TV番組(18:25現在)
ほぼ当確!

阿扁
陳水扁 氏(民進党)
4,977,737票


宋楚瑜(無所属):4,664,932票
連   戦(国民党):2,925,513票

(投票率:82.69%)


 


陳水扁・中華民国第十代総統就任演説
2000年5月20日
台湾よ起ち上がれ−新たなる向上の時代を迎えて

 友邦の元首の皆さま、来賓の皆さま、親愛なる国内外の同胞の皆さま。われわれは今、輝かしく荘厳で希望に満ちた瞬間を迎えました。

 遠くからお越し下さった来賓の皆さま、そして世界中の民主を愛し、台湾に関心を寄せて下さる皆さまが、この栄光の時をわれわれと分かち合ってくださいますことに感謝申し上げます。

 われわれが本日ここにいるのは、新総統の就任を祝うためだけでなく、ようやく手に入れた民主の価値の証人となり、また新たな時代の始まりの証人となるためなのです。

 二十一世紀の到来を目前にして、台湾人民は民主的な選挙によって歴史的な政党間の政権交代を完成させました。これは、中華民国の歴史上初めてというだけでなく、世界中の中国人社会にとって画期的な里程標となるものです。台湾は、アジアにおける民主経験にとって新たなモデルを打ち立てただけでなく、全世界の「民主化の第三の波」に感動的な事例を付け加えました。

 中華民国第十代総統選挙の過程は、全世界の人々に、自由民主の果実を手に入れるのがいかに困難なものか、ということをはっきりと示しました。二千三百万人の国民は、比べようもないほど固い意志をもって、愛によって敵意を解消し、希望によって脅威を克服し、自信によって恐怖に打ち勝ったのです。

 われわれは神聖な選挙を通して、全世界に向けて証明しました。自由と民主は永久に不滅の普遍的な価値であり、平和の追求は人類の理性において最も高い目標なのです。

 西暦二〇〇〇年の台湾の総統選挙の結果は、個人もしくは政党の勝利などではなく、国民の勝利であり民主の勝利であります。なぜなら、われわれは世界中が注目するなか、ともに恐怖や脅威、圧迫を乗り越えて、勇敢に起ち上がったのですから。

台湾が起ち上がることは、理性の堅持と民主への信念を示しています。
台湾が起ち上がることは、国民の自信と国家の尊厳を表しています。
台湾が起ち上がることは、希望の追求と理想の実現を象徴しています。

 ●政権の平和的移行

 親愛なる同胞の皆さま、われわれは今日のこの瞬間を、この得難い感謝の気持ちを永遠に忘れないでしょう。なぜなら、民主の成果はけっして容易に手に入れたものではなく、数々の障害や艱難辛苦を乗り越え、ようやく実現したものだからです。もし民主のために戦った多くの先人の、何物も恐れない犠牲がなければ、もし国民の皆さまの自由や民主に対する確固たる信念がなければ、われわれは今日、この愛する大地の上に立ち、全国民のものである輝かしい式典を祝うことはできなかったことでしょう。

 今日、われわれはあたかも新たな歴史の門の前に立っているかのようです。台湾人民は、民主の試練を受ける過程を通して、われわれ共通の運命のために、(その門を開ける)新たな鍵を作り上げたのです。新世紀の希望の門は今まさに開かんとしています。われわれは、謙虚ではありますが、決してしりごみはしません。われわれは自信に満ちていますが、少しも奢りたかぶってはいません。

 三月十八日に総統選挙の結果が発表されたその瞬間から、私は最も厳粛かつ謙虚の心をもって全国民の付託を受け入れ、かならずや私自身の精神力、知恵、勇気を尽くし、国家の将来に関わる重責を担うことを誓いました。

 私は、政党間の政権交代や政権の平和的移行の意義は、単に「人や党の交代」にとどまらず、さらには「王朝の交代」による権力移行などではなく、民主的なプロセスを通して国家と政府の権力を国民に返すことである、と深く理解しております。国民こそが国家の真の主人であり、いかなる個人もしくは政党もこれを占有することはできません。政府は国民のために存在し、国家元首から末端の公務員に至るまですべて国民の公僕なのです。

 政党間の政権交代は、決して過去のすべてを否定するものではありません。歴代の執政者の国家や国民に対する貢献を、われわれは公正に評価する必要があります。李登輝・前総統が過去十二年の執政において民主改革を推進し、卓越した功績を残したことは、国民より最高の敬意と心からの感謝を受けるべきでしょう。

 選挙の過程においては、多くの台湾人民がこれに積極的に参与しました。互いに異なる主張や立場があったとしても、一人ひとりが政治理念や国家の前途のために、勇敢に初志貫徹した気持ちは同じものです。選挙の終了は和解の始まりです。感情的な場面が幕を下ろせば、理性的な場面が幕を開けるでしょう。国家利益と国民の福祉を最高原則とし、今後は、与党であれ野党であれ、国民の付託に背くことなく、自らの職責を尽くし、政党間の公平な競争や民主政治における相互監督、制約の理想を実現しなければなりません。

 公平な競争がおこなわれ、包容力と信頼感のある民主社会は、国家の進歩の最大の原動力です。国家利益が政党の利益に優先されるという基礎のもと、われわれは、全国民の意志と与野党のコンセンサスを凝集し、国家の進歩や改革の推進に着手しなければなりません。

 ●全民政府とクリーンな政治

 「全民政府、クリーンな政治」は私が選挙期間中、国民に対して示した公約であり、また台湾社会が今後断層を乗り越え、レベルアップするための重要なカギとなるものです。

 「全民政府」の精神は「政府は国民のために存在する」ということにあります。国民は国家の主人であり株主です。政府の施政は、多数の民意を拠り所にしなければなりません。国民の利益は、政党および個人の利益より優先されるのです。

 私は、民主進歩党の党員であることを永遠に誇りに思います。しかし、就任宣誓をおこなった瞬間から、私は自らの精神力をすべて「全民総統」の役割を果たすことに注ぎます。新たな「全民政府」の組閣において、出身や性別、党派を分かたず、個人の才能によって人材を登用したのと同様、将来における各施政も全国民の福祉を目標としなければならないのです。

 「クリーンな政治」の主な目標は、「黒金(暴力組織と金権)」の排除と選挙における買収の根絶です。長期にわたり、台湾社会は、善悪がはっきりせず、暴力組織や金権が政治に介入する状況は、すでに台湾人民の深く憎むところとなっております。地方選挙における買収の風潮は、国民の「立派な人物を選んで、自らが国家の主人となる」権利を奪うだけでなく、台湾の民主の発展に汚名を着せることになります。

今日、私はここで公約いたします。新政権は、最大の決意をもって選挙における買収を根絶し、「黒金」を撲滅し、台湾社会が悪い方向に進むのを徹底的に阻止し、「クリーンな政治」の質を高め、さらに国民にクリーンな政治環境を提供します。

 ●小さな政府

 活力ある政府への改造については、日増しに熾烈化するグローバルな競争のもと台湾の競争力を確保するために、われわれは清廉で機能的、かつ長期的展望をもち、活力に満ち臨機応変に対応できる新政権を樹立しなければなりません。もはや「何でもやる大きな政府」の時代は終わり、代わりに今求められているのは、民間とパートナーシップ関係を築いた「小さくて能力ある政府」です。われわれは政府の権限や組織を簡素化するスピードを早め、民間が活躍する場を積極的に拡大する必要があります。こうすることによって民間の活力は十分に発揮され、政府の負担を大幅に軽減できるのです。

 このパートナーシップ関係は中央政府と地方政府との間にも確立されなければなりません。われわれは過去の権力と金銭を中央に集中させた中央集権的な高姿勢を打破し、「地方政府のできることは中央はしない」という地方自治の精神を定着させ、地方と中央政府がともに資源を共有し責任を分かち合うようにしなければなりません。東西南北、本島離島にかかわらず、バランスのとれた多元的な発展が享受できれば、都市と地方との距離を縮めることができます。

 当然のことですが、われわれはあらゆる問題に対して政府がすべてその答えを出せると思ってはいけません。国民こそ経済発展と社会の進歩の原動力であります。この半世紀、台湾人民は手足を労して働いてきたからこそ世界に誇れる経済奇跡を成し遂げることができたのであり、中華民国の生存と発展の命脈の基礎を築くことができたのです。今日、情報の日進月歩と貿易の自由化という衝撃の中で、産業の発展が知識経済の時代へ向かうのは必然であり、ハイテク産業は絶えまなく新しいものを創造し、従来型産業は構造転換しレベルアップすることが求められています。

 未来の政府は過去のような「リーダー」や「管理者」の役割を必ずしも果たさなければならないということではありません。むしろ、民間企業に求められているように、政府は「支援者」であり「奉仕者」でなければなりません。現代の政府の責任は行政効率の向上、国内の投資環境の改善、金融秩序の維持と株式市場の安定にあり、経済の発展は公平な競争を通じた完全なる自由化と国際化へ向かわなければなりません。これを原則に据えることで、民間の活力はおのずから隆盛となり、さらなる段階の経済奇跡を打ち立てることができるのです。

 民主の成果を強固にし、政府改革を推進し、経済の競争力を向上させることはもちろんですが、新政権の主な施政目標は民意に従い、行政改革を励行し、この台湾の地に住む人民の生活をさらに尊厳ある、またより自信に満ちた、質の高いものにしていくことです。われわれの社会は安全で調和のとれた豊かなものであると同時に、公平な正義に合致したものでなければなりません。われわれの次世代が希望と喜びに満ちた教育環境のもとで学習することによって、国民の不断に成長する競争力が養われるようにしなければなりません。

 二十一世紀は「生活者の権利」と「質の高い生活」が強調される時代です。およそすべて国民の生活と密接に関連している治安の改善、社会福祉、環境と生態の保護、国土計画、ごみ処理問題、河川の整備、交通秩序の維持、地域社会の育成などの問題に対し政府は解決方法を打ち出し、公権力をもってこれを徹底させ定着させなければなりません。

 われわれにとって目下急務となっているのが、生活品質の重要な指標である治安の改善と環境保護の二つです。社会に新たな秩序を確立し、すべての国民が安心して就業でき、生活できるようにしなければなりません。生態の保護と経済発展の間に両者が共存できるバランスを見いだし、台湾を緑のシリコン・アイランドとして永遠に発展させなければなりません。

 司法の尊厳は民主政治と社会正義の強固な防波堤であります。公正で独立した司法体系は社会秩序を維持するだけでなく、人民の権益を保護するものでもあります。現在のところ司法改革にはまだ長い時間が必要であり、国民の皆さんには引き続き司法に対し厳しい監督と切なる期待を寄せていただくと同時に、われわれは行政権力を抑制し、司法に独立した権限を与え、行政が司法に干渉しないようにしなければなりません。

  台湾においてもっとも重要な資源は人材であり、この人材こそ国家の競争力の根本であり、教育は「富を民の中に蓄える」という百年の大計であります。われわれはなるべく早く与野党間、学界と民間におけるコンセンサスを集約し、引き続き教育改革を推進し、健康で積極性のある活力に満ちた新たな教育体制を確立することによってこそ、熾烈な国際競争の中にあっても台湾が不断に一流の優秀な人材を育成させることができるのです。われわれは台湾社会を徐々に「学習型組織」と「知識型社会」へと転換させ、国民の生涯学習を奨励し、新しさと変化を求め、個人の潜在力と創造力を十分に発揮させなければなりません。

 目下、全国各地に普及し発展している草の根の地域組織は、地方の歴史や人文、地理、生態の探求と保護に対して、底辺から積み上げた民間の活力を現しています。地方の文化、庶民の文化、あるいは質の高い文化、そのどれもが台湾の全体的な文化の一部分なのです。台湾は特殊な歴史と地理的条件にあるがゆえに、もっとも豊かで多様な文化的要素を持ち合わせています。しかし、文化の建設は一挙に完成できるものではなく、一歩一歩の積み重ねによってでしかなし得ません。われわれは胸襟を開き、包容と尊重によって種族や省属の違いにかかわらず、異なる地域の文化に対しては相互に尊重しあうことで、台湾の本土文化と中華文化、世界の文化と自然に触れ合うことで「文化の台湾、世紀の維新」の新局面を創造していかなければなりません。

 昨年起きた九・二一台湾中部大地震では、われわれの愛する土地と国民が未曾有の被害を受け、その傷痕はいまだ癒えていません。新政権は被災地の復興作業に対し手を緩めることなく、産業の復興と心の再起に向けて、最後の一人を残すことなく最後の段階まで貫徹させなければなりません。われわれは震災後の救援と復興過程において、大きな愛と無私の精神で奉仕してくれたすべての個人と民間団体に対し、ここにあらためて最高の敬意を表したいと思います。大自然の猛威にあって、われわれは台湾のもっとも美しい慈悲と強固な信念、絶大な信任を見ることができました。中部大地震は国民に大きな打撃を与えましたが、「ボランティア台湾」の精神にあって、台湾はかならずや力強く立ち上がるに違いありません。

 ●人権の推進

 親愛なる同胞の皆さま、四百年前、台湾の秀麗なる山河は世界より「フォルモサ│美麗の島」と称されました。今日、この土地に住む人々は歴史的な新たなぺージを創造し、台湾に「民主の島」としての風貌を備えさせ、ふたたび世界の耳目を集めるところとなりました。

 私は、今日収めた民主の成果の上に科学技術ならびに経済実力を加え、中華民国が必ずや国際社会のなかで引き続き必要不可欠な役割を担っていくものと信じております。友好諸国との実質的外交関係を継続して強化していくほか、われわれは積極的に各種の国際的NGOに参加して行かねばなりません。われわれは、人道支援、経済協力、文化交流などさまざまな方式を通し、積極的に国際関連事項に参加し、国際社会における台湾の生存の場を拡大し、ならびに国際社会に貢献していかねばなりません。

 このほか、私は国際人権擁護に関しても積極的な貢献をしたいと願っております。中華民国は世界の人権の潮流の外に身を置くことはできず、われわれは「世界人権宣言」、「市民的および政治的権利に関する国際規約」、さらにウィーン世界人権会議などに示された宣言と実施要綱などを順守し、中華民国を国際的な人権組織の枠組に組み入れていかねばなりません。

 新政権は立法院に要請して「国際人権規約」を批准し、それを国内法化し、正式な「台湾人権規約」を成立させたいと思います。私は、国連が長期にわたって主張してきたことを実現するため、台湾に自主運営の国家人権委員会を設立し、国際規約人権委員会ならびに国際アムネスティの、この二つの卓越した非政府人権組織に、わが国が各種の人権保護を確実に実施できるよう協力を依頼し、中華民国に二十一世紀における人権の新たな指標を打ち立てたいと願っております。

 私は、いかなる時代においても、世界のいかなる場所においても、自由・民主・人権の意義と価値は、決して軽視してはならず不変のものであると信じています。

 二十世紀の歴史が人類に遺した最大の教訓は、すなわち戦争は人類の失敗であったということです。目的がいかなるものであれ、どのような美辞麗句を並べようとも、戦争はすべて自由・民主・人権に最大の危害を及ぼすものとなります。

 ●両岸政策

 過去百年来、中国は帝国主義の侵略を受け、歴史に消し難い傷痕を遺しました。台湾はさらに複雑な運命をたどり、前後して強権に苦しめられ、植民地統治まで受けました。こうした似通った歴史に遭遇し、両岸人民には互いに理解しあい、共に自由・民主・人権を追及する決意をする重厚な基礎があるはずです。しかし、長期にわたって隔絶していたため、双方は異なる政治制度と生活様式に向かって進み、互いに心を通わせあう機会を失い、隔離されていたため対立の壁さえできてしまいました。

 今日、冷戦はすでに終結し、両岸双方は旧時代の遺物である敵意と対立を捨て去らねばならない時代となっております。われわれはふたたび待つ必要はなく、今日こそが両岸双方が共に和解の道を切り開く時なのであります。

 海峡両岸の人民は、血縁、文化、それに歴史の背景を共有しており、私は、双方の指導者は必ず知恵と創意を持っており、民主と対等の原則のもとで、すでにある基礎の上に、善意によって協力しあう条件を作り出し、共同で未来の「一つの中国」の問題を処理していけるものと確信しております。

 私は、民選による中華民国第十代総統として、憲法を順守し、国家の主権と尊厳および安全を守り、全国民の福祉を確保しなければならないことを深く認識しております。このため、中共が武力を行使する意図がない限りにおいて、私は在任中に独立を宣言せず、国名を変更せず、二国論を憲法に盛り込まず、統一か独立かといった現状の変更に関する住民投票は行わず、また国家統一綱領や国家統一委員会を廃止することもいたしません。

 歴史が証明するごとく、戦争はさらに多くの恨みと敵意を引き起こすばかりであり、相互の関係の発展になんら助けにはなりません。中国人は王道と覇道の相違をわきまえ、仁政を行えば「近きは悦び、遠きは来る」、「遠き人来らずば、文徳をもって之を来らしむ」の道理を重視しております。こうした中国人の知恵は、次の世紀においても全世界に通用する名言であります。

 大陸はケ小平氏と江沢民氏の指導の下に、経済開放の奇跡を成し遂げ、台湾はこの半世紀において経済奇跡を創造したばかりか、民主政治確立の奇跡をも実現しました。これらを基礎とし、両岸の政府と人民がもし多くの交流を重ねたなら、「善意による和解、積極的協力、永久平和」の原則をもって、人民の自由意思による選択を尊重し、不必要な障害を排除し、海峡両岸が必ずやアジア太平洋地域の繁栄と安定に多大の貢献をし、全人類のためにも輝かしい東方文明を創造することができるはずです。

 親愛なる同胞の皆さま、私は海内外のすべての中国人がこの場をご覧になり、共にこの瞬間を見ていただくことを熱望しております。いま眼前に広がるケタガラン大道は、数年前はまだ警戒が厳重で、私の背後のこの建物は、かつては植民地時代の総督府でありました。今日、われわれはここに参集し、この土地の音楽および人民の声で民主の喜びを高らかに謳歌しております。このことに注目すれば、海内外同胞はそれの示す意義を十分に理解することになるでしょう。

  権威主義と武力は一時的に人を屈服させるが、民主と自由こそ永遠不朽の価値を持つものであります。

  人民の意思を服膺してこそ、歴史の道を開拓し、不朽の建設ができるのです。

 ●台湾の子

 私は貧しい農家の出身ですが、この地で努力して成長し、さまざま挫折や試練を乗り越え、本日ついに国民の信頼を勝ち得て、国家を指導する重責を担うこととなりました。私個人の功績は微々たるものですが、そのなかに含まれた意義は誠に尊いものです。なぜなら、このフォルモサに暮らす一人ひとりは、私と同様すべて「台湾の子」だからです。いかに困難な状況にあろうとも、台湾は、無私の愛に満ちた母親のように、絶えずわれわれにチャンスを与え、すばらしい理想を実現させてきたのです。

 「台湾の子」の精神がわれわれに啓示しているものは、台湾・澎湖・金門・馬祖は太平洋に浮かぶ小さな島にすぎなくとも、二千三百万人の同胞が困難を恐れず手を携えて前進しさえすれば、われわれの理想の地図は地平線のかなたまで無限に広がるということです。

 親愛なる同胞の皆さま、この瞬間の栄光は国民全体のものであり、すべての恵みは、われわれの永遠の母親である台湾に属すのです。われわれは皆様とともにこの地に感謝を捧げ、また国民の皆さまに敬意を表したいと思います。

 自由民主万歳!

 台湾人民万歳!

 中華民国の繁栄を祈念するとともに、全国の同胞と来賓各位の健康とご多幸をお祈りいたします。